iot・m2m用モバイル回線とセンシングデバイスによる保育園での実証実験
現在、政府は、iot・m2m技術、AI、ビッグデータ、ロボットなどの最先端技術を取り入れた「超スマート社会」を目指しています。その社会を実現するキーとなるのが、iot・m2m技術の一要素であるセンシング技術です。すでに、温度や湿度、音波や振動などのデータを取得できるセンサーデバイスがあらゆる産業に利用されています。1拠点に複数のデバイスがある場合などocnの固定ip8プランの導入で実現が可能です。
また、画像処理もこれまで以上に高精細になったことで、カメラをデバイスにした新しいセンシング技術も実用に近づきつつあります。そんなセンシング技術の実証実験が公共サービスにおいて行われているのですが、そのなかの一例として福岡市の保育園の例をあげてみましょう。
福岡市のある保育園では、「iot保育園」の実験が行われています。福岡市の広域iotネットワークサービスを活用して、大学や通信事業者、ITベンダーなどが共同で推し進めているプロジェクトです。このプロジェクトの目的の一つに、保育士の深刻な人材不足を解消することが挙げられます。
この実験で行われているのは、乳幼児の状態の把握と空気環境の可視化です。乳幼児の状態の把握では、お昼寝中の園児の衣服に寝返りを検知するセンサーと、園児の寝ている布団に呼気を検知するセンサーを取り付けて、園児の呼吸状態や就寝時の姿勢を検知します。万一、呼吸が停止したりうつ伏せ状態で寝ていたりといった状態が検知されると、保育士のモバイルデバイスにアラートが発信されるという仕組みです。また、これらのデータは自動で蓄積されるため、保育記録を書く作業の負担も軽減されることが期待されます。
もう一つの空気環境の可視化とは、保育園の建物内と庭にセンサーデバイスを設置して、温度や湿度、二酸化炭素の濃度などを計測するというものです。計測されたデータはモバイルデバイスに表示され、そのデータをもとにして、換気や空調機器の制御を行います。インフルエンザの流行時期などにそれを予防する保育環境が実現できるのではと期待されるシステムです。将来的には、自動で空調機器を制御できるシステムの実装も予定されています。