iot・m2m用モバイル回線とiotセンサーデバイスを用いたシステムを導入する小売業者の例
iot・m2m用格安モバイル回線が急速に普及する現在、あらゆる業界においてiot・m2m技術を導入する企業が増えています。小売業もその一つです。
小売業でのiot・m2m技術の活用例として、店舗に設置する監視カメラの映像をiotデバイスによって分析し、顧客の行動を把握するというものがあります。多店舗の場合でもインターネットとocnの固定ipで安価な料金にて複数店舗の映像を確認することが可能です。具体的には、カメラで撮影された映像を画像認識・分析することによって、顧客一人ひとりの顔をID化します。これによって、顧客の行動データを蓄積していこうというものです。
これまでは、店舗ごとに会員カードを発行して、顧客の住所、氏名、電話番号などの情報を収集管理していましたが、このシステムの導入により、従来の会員カードは必要なくなります。顧客が来店しただけで、その人の年齢、性別、来店した時の日時、さらには顔の表情まで、あらゆる情報が収集可能です。会計時にも顔画像の認識ができるため、購買データも蓄積できます。こうして蓄積された情報によって、顧客一人ひとりに対し、その情報に基づいたセールスやサービスが可能になるわけです。
こうしたシステムの導入には課題もあります。個人情報保護法が2017年に改正され、顔などの人の体の一部だけでなく、歩き方などのデータも個人情報に指定されるようになりました。そのため、店舗の監視カメラが撮影した画像も、それを使用するには直接本人に通知するか、あらかじめ画像データの用途を公表する必要があります。
ただ、法律によって多少の縛りは受けるものの、住所、氏名、年齢、電話番号といった個人に直結する情報より、このシステムで収集した画像は秘匿性がとても高いです。上手に活用するためのノウハウが確立すれば、こうしたシステムを導入する小売業者は増えていくでしょう。
上で紹介した監視カメラによるiot・m2m技術の活用例は、ごく一部に過ぎません。iotセンサーデバイスとそれが取得するデータ、取得したデータを分析できる基盤があれば、あとはアイデア次第でどのようなビジネスにも活用できるでしょう。